「剣は礼に始まる」 (04月09日)- この言葉は私が小学生時代に通っていた剣道教室の師範がよく口にしていた言葉だ。
強い選手になるためには何が必要か。本当の強さを身につけるためには何をすべきか? 練習するのは当たり前。だが本当の意味で強くなり、戦えるようになるためにはどうしたら良いのか。それを考える参考となっている。 正しい挨拶をするには正しい立ち方ができなければならない。正面から相手の顔を見る必要もある。明確な言葉を口にしなければならない。 正しい立ち方ができない選手に、正しいフォームが作れるはずはない。 相手の顔をみることができない選手が、対戦相手に勝つことがなどできるはずがない。 明確な自分の言葉で話すことができない選手の言葉には、重みはない。意思がない。 日本でいうならば武士道。西洋的にいうならば騎士道。これらの言葉には、人として、人間として、礼節をわきまえ、相手を尊び、優しさを持ち、感謝の気持ちを忘れない、という真の強さを身につけるための多くのヒントが隠されている。 生活してゆくことは、それ自体が修行。そして、生きることの全てが己を高めるための修行になりうる。それを理解できた選手は、日常生活を送る中でも競技レベルを引き上げてゆくことができる。このことは、プロと呼ばれる選手よりも、時間に追われるビジネス・アスリートの方が良く理解しているかもしれない。時間が無いからこそ有効に時間を使おうとするからだ。 長年、強化に携わっていると、どの選手がどこまで行けて、どの選手はどのあたりで止まってしまうか見えてくる。 理屈ではない。選手の一挙一動をみていれば感じられるものなのだ。日常生活の送り方や行動が、その選手の最終到着地点まで決定させてしまう。 勝つことは、とても重要だ。しかし勝つことだけが大切な訳ではない。ドラフティングなど、ルールを破り、卑怯な手段を使って勝つことに意味などない。そんな勝利を喜んでいる選手に人間的な進歩などあり得ない。クダラナイ選手と一緒にいれば自分までクダラナイ人間になってしまう。 大切なことは、トライアスロンという競技を通じて、自分自身が一歩でも選手として人間として進歩できるよう努力すること。弱かった昨日の自分に打ち勝った時こそが、進歩を感じられるときだ。そのための練習ではないのか。そして、その先にこそ「真の強さ」が見えてくる。 まずは自分の身の回りを見直して2009年シーズンに突入していってほしい。
(写真1) 千葉県認定記録会を支える関係者たち。若手アスリートのために、ベテラン・トライアスリートが運営を行ってくれる。事前の準備を含めれば、どれぐらいの時間を他人のために費やしているのだろうか。それを理解できない選手に未来はない。 (写真2) 大道塾関東地区予選に参戦。2回戦で敗退するが、その対戦相手は人間的にも尊敬できる男だ。中量級王者・堀越亮祐。今年開催される世界大会の日本代表でもある。

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