トシ中山の「渾身の一撃」

提供:初代ミスタートライアスロン・中山俊行
「剣は礼に始まる」 (04月09日)

 この言葉は私が小学生時代に通っていた剣道教室の師範がよく口にしていた言葉だ。
強い選手になるためには何が必要か。本当の強さを身につけるためには何をすべきか?
練習するのは当たり前。だが本当の意味で強くなり、戦えるようになるためにはどうしたら良いのか。それを考える参考となっている。
 
 正しい挨拶をするには正しい立ち方ができなければならない。正面から相手の顔を見る必要もある。明確な言葉を口にしなければならない。
正しい立ち方ができない選手に、正しいフォームが作れるはずはない。
相手の顔をみることができない選手が、対戦相手に勝つことがなどできるはずがない。
明確な自分の言葉で話すことができない選手の言葉には、重みはない。意思がない。
 
 日本でいうならば武士道。西洋的にいうならば騎士道。これらの言葉には、人として、人間として、礼節をわきまえ、相手を尊び、優しさを持ち、感謝の気持ちを忘れない、という真の強さを身につけるための多くのヒントが隠されている。
 
 生活してゆくことは、それ自体が修行。そして、生きることの全てが己を高めるための修行になりうる。それを理解できた選手は、日常生活を送る中でも競技レベルを引き上げてゆくことができる。このことは、プロと呼ばれる選手よりも、時間に追われるビジネス・アスリートの方が良く理解しているかもしれない。時間が無いからこそ有効に時間を使おうとするからだ。
 
 長年、強化に携わっていると、どの選手がどこまで行けて、どの選手はどのあたりで止まってしまうか見えてくる。
理屈ではない。選手の一挙一動をみていれば感じられるものなのだ。日常生活の送り方や行動が、その選手の最終到着地点まで決定させてしまう。
 
 勝つことは、とても重要だ。しかし勝つことだけが大切な訳ではない。ドラフティングなど、ルールを破り、卑怯な手段を使って勝つことに意味などない。そんな勝利を喜んでいる選手に人間的な進歩などあり得ない。クダラナイ選手と一緒にいれば自分までクダラナイ人間になってしまう。
 
 大切なことは、トライアスロンという競技を通じて、自分自身が一歩でも選手として人間として進歩できるよう努力すること。弱かった昨日の自分に打ち勝った時こそが、進歩を感じられるときだ。そのための練習ではないのか。そして、その先にこそ「真の強さ」が見えてくる。
 
まずは自分の身の回りを見直して2009年シーズンに突入していってほしい。
 

(写真1)
千葉県認定記録会を支える関係者たち。若手アスリートのために、ベテラン・トライアスリートが運営を行ってくれる。事前の準備を含めれば、どれぐらいの時間を他人のために費やしているのだろうか。それを理解できない選手に未来はない。
 
(写真2)
大道塾関東地区予選に参戦。2回戦で敗退するが、その対戦相手は人間的にも尊敬できる男だ。中量級王者・堀越亮祐。今年開催される世界大会の日本代表でもある。

 
 

「アマからプロへ。いざ戦極のリングへ」 (03月13日)

 「プロ」とは何だ!?「アマチュア」とは何だ!?
アマチュアリズムという言葉が良く使われていた過去の日本スポーツ界。「スポーツをしてお金を稼ぐことは汚い」というオカシナ風潮が強かった。日本においては今でも一部その流れを断ち切れていない。しかしオリンピックにおいては、「プロ」も「アマチュア」も全く関係なくなった。最強、最高の選手を決める場所、それが「オリンピック」である、と時代の流れは変化を遂げてきた。
 「プロ」「アマ」の定義は人それぞれで構わない。だが自分を「プロである」と自認するのであれば、その意味をしっかり理解してから名乗ってほしい。そして名乗るからには中身の伴った戦いをしなければならない。名前だけのプロが多過ぎる。
 
 3月20日(金・祝)格闘技イベント「戦極〜第七陣〜」フェザー級トーナメントに私のコラムにも何回か登場している河原誠也選手が出場する(2008年2月18日掲載コラム・他)。高校生で道場に入門し、強くなりたいという一心でプロを目指し、プロとなり、連戦連勝し、敗北もしたが、その強さが認められて、今回の大舞台に立つことになった。
 そして先輩でもある川村亮選手もライトヘビー級で参戦する。
 少しでも格闘技に興味がある方は是非、応援してあげてほしい。そして「勝つ」とはどういうことかを考えて欲しい。
 強くなりたいという純粋な気持ち。自分の言葉を裏切らない絶ゆまぬ努力。頂点を目指すという強い意思。彼らにとっても、まだまだ道のりは途中でしかないけれど、自分の目指す夢に「プロ」として真っ直ぐに進んでいっている。
 
 競技は違っても、強くなるために必要なものは同じである。強い信念こそが自分を支え、自分を強くする。
本当に苦しくなったときに、それがホンモノであるかどうか見極められる。
さて、あなたは???・・・答えは自分で判かるはず!
 
(写真1)
誰もが最初は初心者だった。ベテラン、ルーキーが同一線上に立つ。TMTU認定記録会。
 
(写真2)
憧れから大きな夢実現へ。先輩から後輩へと夢は受け継がれる。左・河原選手、右・鈴木みのる選手。

 
 

「2009年 幕開け」 (01月15日)

 2009年が始まって既に2週間が経過。激動の世界経済はトライアスロンのみならず、スポーツ界全体、そして私自身にも大きな影響を及ぼしている。
 そういえば2008年の新年は右拳骨折で迎え、2009年新年は肋軟骨損傷で迎え、相変わらず怪我が絶えないのも大問題。身体能力で闘う者は、より身体能力の優れている者により倒される。才能や筋力、心肺機能のみに頼らない戦い方を研究するキッカケとなった。
 トライアスロンに新たな境地が開けるよう、まずは自分自身で修行をし直し、実験を重ねてゆきたいと思う。それが2009年の私の目標。
 
 さて、ほとんどの選手はシーズンに向けて始動していることだろう。
 オフのトレーニングで大切なことは基礎体力作り。RUNやBIKEの走りこみ。SWIMでのフォーム改善&泳ぎ込み。ウエイト・トレーニングによる怪我予防のための筋力強化などなど。ペースを落としてでも距離や時間を増やす&フォームを直す。この時期のトレーニングで自分のトレーニング容量(基礎体力の大きさ)が決まってしまう。このトレーニング容量が少なければ、その後にスピード練習をしても十分な効果が上がらない。また怪我をしやすい、シーズン後半まで体力&気力が持たない。こういう事態になる。記録を狙う選手であれば、このオフの過ごし方で翌シーズンの成績の50%以上が決定すると考えよう。
 
 一方、完走派の選手達にとっても大切な季節。量は少なくても構わないが、練習を日常生活の一部として取り入れられるか、練習すること自体に慣れることができるか、仕事とレースのバランス&リズムを作れるのか、などなど重要な時期となる。また、ここでしっかり練習ができれば、レース直前に仕事が忙しくて1〜2週間、練習ができない時期があっても乗り切ることは可能だ。逆にここで手抜きをしている選手ほど、レース直前にあわてて練習することになる。
 
 トライアスロンとは自分自身との対話のスポーツ。頑張ることも必要だけど、無理しないことも大切だ。オフシーズンにレースと同じようなスピードで走りたがる選手、寒風吹きすさぶ中、レースシーズンと同じ練習をしている選手は、「練習のための練習」「自己満足のための練習」にしかなっていない。頑張った割には好成績が望めない。苦行=好成績にはならないのだ。目的や季節にあったトレーニングを実施してゆこう。
 
(写真1)
力に頼り、自滅をした。1年ぶりの試合は自分の故障で敗北を招く。「強さとは何か?」。現役時代からのテーマは、今だに解決できていない。
 
(写真2)
ITU世界選手権シリーズの1戦となった横浜大会。花上会長はじめ大会事務局の準備は着々と進んでいる。果たして日本選手は何人出場できるのだろうか。頑張れ、ニッポン!

 
 

「2008年シーズン終了」 (11月06日)

 今年は北京オリンピックが開催されたこともあり激動の1年だった。プラス世界の経済界には激震が走りスポーツ界にも大きな影響を与え、大手企業が破産し、日本では首相がまた変わり、アメリカでは新しい大統領が選ばれ、円は100円切ってしまうし、、、考えるとスゴイな。
 
 トライアスロン界も2007年は日本選手がワールドカップで初優勝、2008年はオリンピックで初入賞、2009年はどんな歴史が作られるのだろうか。アイアンマンで今泉や塩野が何かやってくれるかも知れない。
 
 さてオフシーズン。前にも書いたが「レースがオフ」なのであって、ここからが「トレーニング全開シーズン」となる。選手たちは来年に向けてしっかり走り込み、しっかり技術を磨き、自分達の「殻」をぶち破る準備をしておいてほしい。
 エイジ選手たちも、まず身体の回復。そして家族を含めた関係者への感謝に気持ちをしっかり示しておくことが重要だ。奥様や旦那様のサポートなくしてレース活動はありえない。プロ選手のスポンサー対応と全く同じだ。
 
 先日、コーチ会議で井出を指導する飯島監督の講演があった。チーム員たちには、充分な練習量を積ませること、その上でスピード練習をさせること、トライアスロン練習に限定しない様々なトレーニングを取り入れることが語られた。
 SWIMであれば最大時には競泳選手並の1万メートルを軽く超え、BIKEでは実業団選手並みの300kmまで走り込む。RUNは怪我を配慮して20km程度に留めているとあったが、さてこれと同等の練習をしているエリート選手がどれほど存在するのか?
 この程度のトレーニングは、私が選手だった20年前以上も昔から言われ続けていること。それぞれの種目で、専門種目選手と対等のトレーニングを積んでいなければトライアスロンであっても通用しない。科学的な練習を追及する前にまず基本的な練習を実行してほしいものだ。オリンピックに出場した5名は辛うじてこれに対応できている。その他の選手はどうだろう?
 
 2012年ロンドン五輪に向けての戦いは既に開始されている。4年間に及ぶ長くも短い戦いのゴングはなった。
本気で目指す選手はそのことを充分に知っておこう。「ロンドンまで、まだ4年ある」と考えている選手は既に敗れている。「ロンドンまで、あと4年しかない」と必死になった選手だけが生き残るだろう。
日本選手権ではそういう気持ちで走っている選手が数名確認できた。嬉しい結果である。「メダル獲得」を本気で口にするのであれば、まずは行動で見せてほしい。
 
(写真1)
井出、庭田、上田の3ショット。彼女たちは本当の意味で「強さ」を持っている。性別も年代も違うけど、自分が現役だったらガチで勝負してみたいと思わせる選手たちだ。
 
(写真2)
昨年に続き、白戸、入山と共に場内実況をする私。こちらでは私自身にもトレーニングがまだまだ必要だ。わざわざ見学に来てくれた格闘技仲間が撮影。

 
 

「ジュニア選手、U23選手の挑戦」 (09月26日)

季節は秋へと移りトライアスロン・シーズンもいよいよフィナーレに近づいてくる。海外ではハワイ・アイアンマンレースが間もなく開催され2008年を締め括る。
国内では、ジャパンカップ村上大会、銚子大会、そしてローカルではあるが第1回の川崎・東扇島で開催されるスリーエフカップ。これらを経て最終戦、東京港・日本選手権へとつながってゆく。
日本選手権ではどんなドラマが生まれてくるだろう。オリンピック出場組VS次世代を担う若手組。意外な選手の活躍を期待したい。
 
少し遡った、8月に開催された第10回ジュニア選手権長良川大会。明日の日本トライアスロン界を担う優秀なジュニア選手が集結した。エリート選手でも音を上げるような灼熱のコースで戦いは演じられた。男子、女子、ジュニアA、Bクラスと、どのカテゴリーにおいてもジュニア選手の迫力は素晴らしく、本当に一生懸命戦っていたし、全力で走り、戦っていた。この世代の選手が今後、どのように成長をしてゆくのか、とても楽しみだ。日本選手権では、成績や結果ではなく、その戦い方や内容に注目してほしい。
そんな中でも、特にジュニアB女子の戦いは熾烈を極めた。高橋侑子(東京ベルディ)VS山本奈央(西尾高校)。どちらも世界選手権のジュニア日本代表選手であり、実力もほぼ互角といえる。未完成ではあるが、どちらも魅力的な有望選手だ。
 
レースは全体的に高橋有利で進んでいったが、スイム、バイク、ランと2人の争いはレース全般に渡って続けられた。そしてクライマックスは死闘と呼ぶに相応しい壮絶な戦いとなった。結果的には山本が高橋を逆転したが、その内容は互角といえよう。2人には「勝つことに」に対する執念を見せてもらった。
自分の限界を超えて走る姿を久しぶりに目にした。しかもエリート・クラスではなく、ジュニア・クラスで。ここ最近のエリートと呼ばれる選手に一番欠けているもの、トップ選手が失いつつあるトライアスリートの原点をこの2名は持っていた。スピードの違いはあるけれど、日本選手権や世界選手権をイメージさせるぐらいの迫力ある戦いを見せてもらった。日本選手権で、この2名のジュニア選手の力がどこまで通用するか。暖かい目で見守ってほしい。
 
椿、大谷、久保埜、工藤、宇都宮、細田、ジュニア男子界のエリート選手達には、田山、山本の2強選手と戦うことで「世界のレベル」をリアルに感じてほしい。現状のままでは、とても世界に追いつけないことを自分の身を持って知ることができる大きなチャンスが日本選手権だ。
東京・お台場で開催されるこの大会はトライアスロン関係者ばかりでなく、トライアスロンを知らない人たちの注目を浴びるチャンスでもある。偶然に通りがかった人達が思わず足を止めて観入ってしまうような熱い戦いを演じて欲しい。
 
(写真1)
ヤングホープ、高橋侑子(真ん中)と山本奈央(右)。その秘めたる底力をオリンピック組に見せ付けてほしい。
 
(写真2)
ジュニア男子のレベルも低くはない。しかし小手先の技術を磨くことよりも本質的な「戦う心」が磨かれなければ生き残ることはできない。大化けしてくれることを期待する。

 
 

「求む!!サムライ男子!」 (09月02日)

トライアスロン競技としては三度目の挑戦となる北京大会。3度目にして女子は初めて本命選手が表彰台を独占。しかし男子は、今回も予想外の選手が優勝。ど本命は表彰台にすら上がれなかった。実力以外のものが求められるオリンピック。だからこそ世界選手権とは違った面白さがある。
さて、テレビ放送を通じて日本選手の活躍は皆さんも知っているところ。女子は大活躍。井出の5位入賞を筆頭に、年齢の常識を打ち破る庭田の9位、そして日本選手としては考えられなかった上田のバイクラップ2位。N.スピリングとたった2人で20秒前方の第一集団を捉える走り。しかも、対等に走って捕まえる実力を見せつけ日本選手のバイクの可能性を見せてくれた。
一方、男子は悲しい結果に終わる。レース前の調整トレーニングでは快調だった田山は思いもよらない結果に。山本はいつも通り我慢しきれずバイクで飛び出してランにつなげることができない。「惨敗」という言葉以外、見当たらない。
 
他の競技種目でも同様だが、いつから男子はこれほど弱体化してしまったのだろうか?
今回の結果が全てではないが、日本男子のトライアスロン選手層は薄すぎる。田山と山本の2名に太刀打ちできる選手が存在しない。この2名ですら「世界で戦う最低ライン」に立っているに過ぎないのに。日本で3番目に強い選手が、山本のコーチである福井英郎コーチという現実に呆然とするばかりだ。
 
三度目のオリンピックを戦って見えてきた日本の光と影。日本はどこへ向かうのか。
10月に開催される日本選手権。女子の「日本一」は世界入賞レベルでないと辿り着かない遥かな道のりとなった。言い換えれば、この3名を打ち破れば世界での入賞が可能であることの証明になる。2番手グループに位置する選手、若手の選手には、この大きな壁にガンガンと挑んで、乗り越えることを目標としていってもらいたい。
男子は、田山、山本、福井に独占され続けている現状を打破する選手の出現を期待する。はっきり言って、この3名に勝てない選手はワールドカップに参戦する必要はない。無駄以外の何者でもない。そのことを頭に入れてトレーニングに取り組み、戦いを挑んでほしい。
まずは競技者としての意識レベルを上げるべきだろう。「僕には僕のやり方がある」と言っているような選手では既に世界では通用しない。この甘えから脱却できない限りは、世界になど届くはずはないと断言する。
 
サムライスピリットを忘れてしまった日本男子の復活はできるのか。我と思わん者は、日本選手権で私を見返してくれ! 
 

(写真1)
バイクコースを試走する山本良介と田山寛豪。単純な技術向上やタイムアップだけでなく精神面の向上が求められる。飯島監督、八尾監督の言うところの「人間力」だ! 当分、この2名の2強時代は続くだろう。
 
(写真2)
井出選手と小美野メカニック。サポート体制をしっかり引いて臨む日本チーム。日本チームの自転車トラブルは今回もゼロだった!

 
 

「暑さ対策は万全か?」 (07月31日)

トライアスロン・シーズン真っ只中。普通に生活しているだけでも暑いのに、この中でトレーニングをするなど正気の沙汰とは思えない。しかし我々トライアスリートは「暑いよ、暑い!」と文句を言いながらもトレーニングを中止しようとはしない。もっともレースは炎天下でも行なわれるので仕方ないが!!
テレビの健康番組では炎天下の中での運動は危険なので止めましょう、とアドバイスをしている。しかし、ほとんど無視!
 
そこで今回は誰もが知っているだろう「暑さ対策」を改めて書くことにした。ベテランは確認を、ビギナーにはしっかり読んでほしい。
 
(練習 編)
・ できるだけ涼しい時間にトレーニングする。
・ しっかり水分を補給する。ボトル等を持参しながら練習する。
・ 帽子をかぶるなど直射日光を少しでも避ける。
・ 可能であれば日陰の多い道を走る
 
(レース前 編)
・ スタート前から脱水症状にならないよう事前の水分補給はしっかりと行なう。
・ 直射日光を極力浴びない。スタート前は日陰で待機する。日傘も活用しよう。
・ ウエットスーツを着るのはギリギリ直前にする。やむを得ず着た場合も、内側に水をできるだけ入れて体温を下げる。
・ 飲む&掛ける用に氷水の入ったボトルをスタート前まで持ち歩く。
 
(レース 編)
・ BIKEスタートしたら、まず水分補給しよう。真夏のレースではボトル2本は当たり前。BIKE給水所がない場合は、ビッグサイズにしておく。
・ ボトルの温度を少しでも下げておくために氷をたっぷりと入れて、アルミホイルなどで包んでBIKEに設置する。RUNスタート用は凍らせたペットボトルをアルミホイルで包んでおくとちょうど良い頃合になる(気温により調整が必要)。
・ 飲む&掛ける、の繰り返し。
・ ランスタートのときに熱中症にならないようにBIKEでは確実な水分補給をする。
・ RUNスタート前にも十分に水分を補給しよう。焦ってイイ加減に補給して走り始めると終盤にツケが回ってくる。
・ エイドステーション完全制覇を目指す。飲めないときは頭&首筋に掛ける。シューズには水が掛からないように注意する。
 
(レース後 編)
・ できるだけガブ飲みにないように。細く長く飲み続ける、が基本。
・ とはいえ飲みたいものを飲む。(ビールはもう少しあとで!)
・ 飲めるなら冷たいものを飲む。そして頭と首筋に掛ける。
・ ビールは水分補給がある程度、終了してからにする。すぐ飲むと身体を壊す。
・ 日陰に移動。直射日光は浴びない。
・ このときばかりはエアコンに頼ろう。
 
判っているけど、やっていない・・・そんな人も多いはず。しかしそれが大きな勝敗を分ける原因となっている。疲労回復にも影響を及ぼす。少しでも速く走りたい、順位を上げたいのであれば、暑いときこそ頭を冷やそう。いろいろな意味で!
 

(写真1)
いよいよ北京五輪開幕。日本トライアスロン界の歴史を作る男「田山寛豪」。どんなドラマを作り上げるか・・・期待してほしい。
 
(写真2)
我々、第一世代トライアスリートと同じ「一匹狼スタイル」でここまで這い上がった。この方法で世界と戦うのは山本良介が最後となるだろう。福井英郎がコーチとして協力にサポートしてゆく。

 
 

「決定!!日本代表」 (07月01日)

8月に開催される北京オリンピック。日本の看板を背負う代表選手が決定した。それぞれの選手がここに至るまで困難、試練を乗り越えてきた訳であるが、現時点で日本最強と考えられる選手が自らの力で代表権を獲得した。あとは、それぞれの選手が自分の力を出し切って戦ってくれることを願うだけだ。
 
メダル獲得を目指す・・・口にすることは容易だが実現することは気が遠くなるほど難しい!
しかしチャンスは突然やってくる。その突然やってくるチャンスの瞬間を逃さないことだ。
普通の人であれば、そのチャンスがきたことすら判らない「一瞬」の、その瞬間に全てを賭けてほしい。
選手達は「勝つため」に何年にも渡って、戦ってきたのだから。
「メダル獲得」は夢か現実か、、、スタッフも含めた日本トライアスロン・ナショナルチームの戦いが始まる。
 
『田山寛豪』。日本人初のワールドカップ優勝経験者。アテネ五輪の経験を生かしオリンピックという修羅場でどこまで覚悟を決められるか。世界で勝つことを味わった男がどう戦うか。スイムから積極的に逃げ行く勇気がメダルへの可能性を広げる。
 
『山本良介』。08年アジア選手権で優勝し最後のチャンスをモノにした。「オリンピックでは結果だけを評価してくれ」という強気の発言を見届けたい。どん底から這い上がってきた者の強さを見せて欲しい。
 
『上田藍』。08年アジア選手権で並み居るランナーを追い抜き優勝。そのときの走りは周囲の関係者をも驚愕させる走りだった。トレーニングを苦しいとは感じない強さと、素晴らしい笑顔が武器。あの笑顔こそがメダル獲得には絶対不可欠な「天運」をも引っ張り込む。
 
『井出樹里』。勝つこと、速くなること、強くなること、そのためであれば24時間の全てを注ぎ込む熱い情熱を持っている。その熱き想いを空回りさせることなくレースに100%ぶつけることができたときには「頂点」すら見えてくる。
 
『庭田清美』。2000年シドニー、2004年アテネに続く 3度目の出場を果たす。身体的な強さ、精神的な強さ、技術的な巧さ、そういったものを乗り越えて世界と戦う実績は、まさに「トライアスロンが強い選手」。彼女の走りは日本人の可能性を示してくるかもしれない。「達人」はどこまで辿り着けるのか。
 
北京オリンピック・トライアスロンは 8月18日(女子)、19日(男子)に開催される。日本中の全トライアスリートに注目してもらいたい。それほど期待できる選手が揃った。
ナショナルチームの活躍を見守ってほしい。
 
(写真1)
左・山本良介、右・田山寛豪。「オリンピックへの想い」が最も強い2名が選ばれるべくして選ばれた。チームケンズ飯島監督の言葉だ。
 
(写真2)
左・庭田清美、右・上田藍。現在、庭田はオーストラリアで活動しているが、かつては山根コーチ率いるITC出身の選手。過去と現在の山根イズムを引き継ぐ2名がチームメイトとして北京に挑む。
 
(写真3)
井出樹里。女子3名の代表の中では最もキャリアが短い。しかし世界においては、既に彼女のRUNは警戒の対象となっている。飯島健二郎の魂を背負って世界に挑む。
 
(写真4)
八尾、飯島、山根のナショナルチーム・コーチ陣。選手だけではなく指導するサイドも、キャリアは十分だ。それぞれのコーチの個性を継承した弟子達がどこまで戦えるか。期待は大きい。

 
 

「新人登竜門!! 天草大会」 (06月16日)

オリンピックディスタンス・トライアスロン発祥の地。熊本県天草市。
ジャパンカップの中に含まれるこの伝統ある大会は、かつてワールドカップにもなったこともあり日本選手にとっては母なる大会といえる。
プチ自慢をさせてもらえれば、第1回、第2回の天草大会では私が優勝している。
この大会で2連覇を達成しているのは私と、シドニー&アテネ五輪代表の西内洋行の2名だけ。
最近、「中山さんはレースしたことがあるのですか?」と聞かれることも多くなった私だが「選手だった」ということを、この場を借りて証明しておく(苦笑)。
 
ジュニア選手とU23の選手にとっては、この大会の優勝者イコール世界選手権日本代表という重要なレース。出場選手は少なかったものの、その迫力はエリート部門にも劣らなかった。
ジュニア男子は細田貴茂、ジュニア女子は山本奈央が実力を見せ付けて見事に優勝。世界への挑戦権を獲得した。U23クラスでは、男子・若杉摩耶文、女子・菊池日出子がチケットを獲得。
 
エリートカテゴリーはバンクーバー世界選手権への最終調整として参加する選手と、世界選手権への出場権はないものの明日の日本を背負う選手との「意地」と「未来」を賭けた戦いとなった。
男子は、福井英郎と高濱邦晃が本命。この2名を破る選手の出現を期待した。が、残念ながら高濱2位、福井3位と新たなナショナルチーム候補選手は出現しなかった。エリート男子は選手層の薄さが今後も大きな問題となるだろう。
一方エリート女子は、足立真梨子、中島千恵、菊池日出子、古谷あかね、大松沙央里とワールドカップ転戦組の争いとなることが予想された。優勝は不調ながらも意地を見せた足立が奪い取った。しかし2位には佐藤優香、3位には蔵本葵という新たな顔が入賞して女子の選手層の厚さを感じさせる。特に佐藤はSWIMで先行すると、BIKEでも折り返しまで、中島、古谷の3名グループで先行。大集団に捕まった後も中島、菊池の揺さぶりに耐え、RUNでは優勝者の足立と5km地点まで先頭争いをするという大活躍を見せた。高校生と、まだまだ発展途上であることを考えると「有力な日本代表候補が出現した」といえるだろう。第24回天草国際大会のMVP選手としたい。
 
北京五輪代表選手も決まり、代表となった選手には、世界のトライアスロン史の中で1ページを作り上げて欲しい。
同時に、次世代を担う選手には、「自分が歴史を作る」という意識をもって競技に取り組んでほしい。
このコラムの冒頭にも書いたが、23年前の優勝者の名前は今でも大会パンフレットに掲載される。「優勝する」ということは、その大会の歴史に名を刻むということ。10年後、20年後、大会が続く限り名前は掲載される。「1位と2位は天と地ほどの差」という理由の一つはここにもある。
次の名前を刻むのは誰か?
私が日本トライアスロン界の歴史をつくる!! 大いなる志を持った選手の出現を望む。
 
(写真1)
第24回天草大会優勝者・足立真梨子(右)。チームケンズの後輩であるが、今大会一番の立役者となった佐藤優香(左)。佐藤はレース内容では先輩を上回っていた。しかし勝利は先輩としての意地を見せた足立の手に。
 
(写真2)
ど真ん中に立った選手だけが08年・世界選手権の代表資格を獲得した。左から古川翔子、大谷真史、山本奈央、細田貴茂、野田菜月、宇都宮涼太。あわてず、あせらず、ジックリと成長していってほしい。

 
 

「勝利への執念」 (05月15日)

 去る5月2日、3日に開催されたアジア選手権。女子は1〜3位を日本選手が独占。男子も1位と3位に入賞を果たした。1位になった女子の上田藍選手、男子の山本良介選手はこれで北京オリンピックのトライアスロン日本代表選手として決定。他の選手達は6月7日、8日の世界選手権(バンクーバー・カナダ)で代表権の獲得を狙う。
 
 「代表権」というチケットはたったの1枚。優勝者にしか与えられない。3位に入賞できれば世界選手権の代表権が獲得できる訳ではあるが、2位以下の選手にとっては敗北感しか感じられないだろう。「1位と2位には天と地ほどの違いがある」と前回のコラムで伝えたが、その違いを理解できたと思う。優勝した2人はもちろん、井出、庭田、田山、そして中国選手、カザフスタン選手、その全員が勝利だけを目指して戦ったはずだ。本当に勝利を目指した選手達は「アジアで勝てなければ世界でも勝てるはずがない」ことも理解している。
 
 バイク終了時に1分15秒差。しかも前を走るのは井出樹里、庭田清美というRUNの実力も、トライアスロンの実力もある選手達。冷静に考えれば逆転など不可能。しかし、その無理とも思える状況をひっくり返した上田藍選手。「レースは終わってみなければ判らない。」これを真に実現して見せた。山根英紀コーチの想像をも上回る力を発揮しての勝利だった。
 「ここで勝たなければ次ぎはない」。そのことを本当に理解していたからこそ、執念で勝利をもぎ取った山本良介。「勝つことことにこだわる」としながらも惨敗した日本選手権。その雪辱を果たすと共に、「勝ちたい気持ち」を思い出すことができた勝負となった。
 
 「日本」という看板を背負い、我々トライアスリートや応援者達の「夢」や「希望」を背負って戦う代表選手に誰が選ばれるのか、残り1ヶ月の戦いに注目してほしい。そして選ばれた選手達は、くれぐれも「出場できたこと」に満足して終わらないでもらいたい。今回のレースを全く同じ気持ちでオリンピックに臨め! 
そう・・・「勝利への執念」を持って!!
 
(写真1)
実力もある。ルックスも良い。しかし最も注目すべきは「天運」をも惹きつける素晴らしい笑顔と前向きな意思の強さ。それが彼女の最大の武器だ。北京オリンピック・トライアスロン日本代表選手・上田藍。(写真提供: Satoshi Takasaki)
 
(写真2)
北京オリンピック・トライアスロン日本代表選手「最後の狼」山本良介。今後は、男子選手の強化もシステム化されなければレベルアップは望めない。サポートは受けても、自分自身で全てをマネージメントし、戦ってきた第一世代トライアスリート・スタイル。こんな化石のようなスタイルを貫き、生き残り、そして五輪日本代表選手の座を勝ち取るのは彼が最後だろう。(写真提供: Satoshi Takasaki)

 
 

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